千織あれこれ No.2 能装束

能に使われる衣装を、能装束(装束)と呼びます。
代表的なものは、女性役の上着として用いられる「唐織(からおり)」で、伝統的で格式があり、絢爛豪華さにおいて世界の舞台衣装の中でもトップクラスといえます。
観阿弥・世阿弥時代の装束は、日常の衣服を用いた質素なものだったといわれますが、室町時代末期から将軍家をはじめとした武家や貴族階級がパトロンとなり、褒美として自分たちの衣を与えたことから、しだいに豪華なものが用いられるようになりました。さらに、安土・桃山時代の絢爛豪華な文化の隆盛と江戸時代になり能が武家の儀式芸能となったことで現在の様式が完成されました。

江戸時代後期に制作され、現在も保存されている能装束を手本として配色を写し、手織により献上柄の帯に織り上げました。

OKANO GINZA SIX店、六本木店、博多リバレイン店にて、趣深い能装束の配色の妙をご覧いただくことが可能です。
ぜひ、店頭にて手織の風合いをお確かめください。

能装束:松皮取染分地素襖(まつかわどりそめわけぢすおう)

素襖とは、室町時代にできた単 (ひとえ) 仕立ての直垂(ひたたれ)で初めは下級武士の普段着でしたが、室町時代末期に大紋に次ぐ礼装となりました。江戸時代になると、服制により素襖は無位無官の旗本の礼装と定められます。麻織物や木綿の晒しで作られた素襖に初夏の花である鉄線花が友禅染の技法で表された涼やかな装束です。
松皮菱形に染めわけた焦げ茶色と浅葱地に、鉄扇花の花芯を思わせる錦糸で華皿紋様を織り上げました。

能装束:段替籠目縫箔(だんがわりかごめぬいはく)

あでやかな配色の段替りは、紅、白、藍の絞り染めにより、界を金線で際立たせています。藍には流水を、紅には籠目、白には七宝つなぎをそれぞれ地紋様とし、繍紋様には杜若(かきつばた)、秋草、夕顔で、女役の装束に見られる和様の衣装の典型を表しています。
杜若は「伊勢物語」を、夕顔は「源氏物語」を、秋草はあらゆる王朝のもののあわれを想起させるモチーフとなっています。

能装束:菱縞と萩文様縫箔(ひししまとはぎもんようぬいはく)

熨斗目風の腰明ですが、松皮菱形で界を染めわけられた大胆な構成が特徴的な一領。肩の部分は、菊菱の金銀摺箔紋様を縞状に摺り、裾には萩の刺繍が施されています。 和様の衣装で好まれる秋草の中でも萩は屈指の主題で、その優雅に枝を垂れる趣が「枕草子」にも記述されています。 黒地に腰明の2配色と菊菱の金銀摺箔を独鈷華皿紋様で表した趣深い作品です。

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